東京医科大学クリニカルアナトミーセンターは、人体構造学分野とCadaver Surgical Training（CST）を行う10の関係分野（科）、大学研究支援課、大学会計課とで運営委員会が組織され、大学が定めた規定に従い管理?運営が行われています。当センターの教育および研究は医学倫理委員会の承認を得て実施され、日本外科学会CST推進委員会へ報告を行います。

クリニカルアナトミーセンターは、CST（Cadaver Surgical Training）の開催及び献体を用いた研究を通じて、医療関係者を対象に手術手技に必要な解剖の理解、ならびに新しい術式や医療機器の開発、または医療安全の確認等を図ることを目的とします。

本センターは、上記の目的を達成するため、次の業務を行います。

（１）CSTの定期開催及び運営に関すること。

（２）その他、センターの目的を達成するため、必要となる教育及び研究業務に関すること。

クリニカルアナトミーセンター発足について

クリニカルアナトミーセンター　センター長　伊藤正裕（人体構造学分野）

　この度、大发体育在线_2024欧洲杯赌球平台#5年10月1日付で本学に「クリニカルアナトミーセンター」が新たに法人組織に組み込まれるかたちで発足いたしましたことをご報告申し上げます。今後、手術トレーニング（Cadaver Surgical Training: CST）に関わる多くの医療スタッフに役立つセンターとして発展させていく所存ですので何卒よろしくお願い申し上げます。

■発足までの経緯

　平成13年に人体構造学分野は「本学医師?教員対象局所臨床解剖学教育研究室」を立ち上げ、個別に希望される本学の医師および卒業生に対し、専門領域の人体解剖の機会を提供してまいりました。平成19年に救急?災害医学分野が主体となって「献体による外傷手術臨床解剖学的研究会」というCST組織が全国に先駆けて創設され、平成24年の厚生労働省による「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」の公表とともにスタートした同省の委託事業である「実践的な手術手技向上研修事業」において、本学が唯一の私立大学として全国で選定された６つの大学の中に入りました。この平成24年の選定を機に、本学の外科手術研修活動は「サージカルトレーニング担当委員会」として、有志の外科系分野が集まり、救急?災害医学、脳神経外科学、麻酔科学、口腔外科学、形成外科学、消化器?小児外科学、呼吸器?甲状腺外科学、耳鼻咽喉科?頭頸部外科学、整形外科学の各分野が参画しての運用となり、今日までの10年以上にわたる同委員会の活動実績が評価され「クリニカルアナトミーセンター」という本学の公的組織としてご承認いただくに至りました。

■これから

　当センター事務局は、研究支援課、会計課および総合事務センターの協力の下、人体構造学分野が担うこととなり、副センター長には外科系分野より本間宙主任教授（救急?災害医学分野）が任命されました。日進月歩する現代医療において、外科手術技能がスキルアップできる周辺環境をさらに整えるべく、より手術技能向上に適したご献体の処置法（低濃度ホルマリン、飽和食塩水、尿素の使用など）の開発、日本解剖学会および日本外科学会CST推進委員会との公的な連携、および当センターのHP作成などを進めていく所存でございます。当センターは発足したばかりで至らない点も多々あるかと思いますが、皆様のご指導?ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

クリニカルアナトミーセンター発足以前より本学解剖実習室にて外科手術研修に勤しんできた医師たち

サージカルトレーニング中の医師たち

CST開催実績（2012～2023）